職権乱用罪で前大統領起訴=特別検察官、戒厳宣言で―韓国 2025年07月19日 15時11分

【ソウル時事】韓国の尹錫悦前大統領による「非常戒厳」宣言について捜査する特別検察官は19日、尹容疑者を職権乱用や特殊公務執行妨害などの罪で起訴した。特別検察官は10日に尹容疑者を逮捕していた。今回の起訴に伴い、刑事訴訟法の規定に基づき尹容疑者の拘束は6カ月に及ぶ可能性がある。
特別検察官によると、尹容疑者は昨年12月に非常戒厳を宣言するに当たり、大統領としての権限を乱用し、一部の閣僚に閣議開催を知らせず、出席させなかった。今年1月には自らに出た拘束令状の執行を大統領警護庁に阻止させたとされる。
憲法は非常戒厳宣言の要件として閣議の審議を経ることを定めている。捜査関係者は19日、記者団に「(尹容疑者は)閣僚の国政について審議する権利の行使を妨げ、大統領の非常戒厳宣言を事前に統制する憲法上の仕組みを無力化した」と批判した。
その上で「(他の)参考人への追加調査や証拠収集が十分にできた」と語り、裁判で有罪を立証できると自信を示した。尹容疑者が聴取を拒否しているため早期の起訴を決めたという。