【実践編】TOPIXと日経平均の相対比較

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、世界の株価は大きく下落していますが、その中でTOPIXと日経平均に稀に見るアンバランスな動きが生じています。 
【TOPIXと日経平均の相対比較】


 TOPIXと日経平均相対比較は、TOPIXと日経平均の相対的な強弱を測ったもの。13週と26週で測ったものの2種類。多くは95-105のレンジ内で動きますが、直近13週相対比較は、106.54まで上昇、同様に26週は105.90でした。TOPIXが日経平均に対して、今までに相対的に強い動きであることを示しています。この相対比較は、リーマン・ショック時にも同様なことがありました。当時は、金融株が大きく売られましたが、それでも108.24を記録しています。データからみる限り、どこかの時点で反転となる確率が高いと思われるので、日経平均買い・TOPIX売りの裁定取引に入るか、値嵩優良株の分散投資を行うなどのストラテジーとして考えられるところです。

 なお、一般によく使われているN・T倍率は、日経平均をTOPIXで除算したものです。N・T倍率も同様、TOPIX優位の動きとなっています。要因として、日経平均は単純平均株価のため、値嵩株の動きが影響、対して、TOPIXは、時価総額がベースの指数で(時価総額の増減が比較的小さい)大型株の動きを反映する指数。平均株価(指数)の性格の違いに起因するものです。

(令和2年3月23日)