イスラエル、シリアのイラン大使館空爆=革命防衛隊幹部を殺害―報復明言、中東不安定化も 2024年04月02日 00時50分
【イスタンブール時事】シリアの首都ダマスカスで1日、イラン大使館領事部の建物がミサイル攻撃を受け、精鋭の「革命防衛隊」の司令官や軍事顧問ら7人のほか、シリア人市民を含め計13人が死亡した。イラン国営メディアが伝えた。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、複数のイスラエル政府関係者が同国による攻撃と認めた。
イスラエルがイランの在外公館を攻撃するのは極めて異例。パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘が長期化し、緊張が高まる中東情勢の不安定化に拍車が掛かる恐れもある。
イランの最高指導者ハメネイ師は2日、「邪悪な政権に罪を後悔させる」と対決姿勢を強調。ライシ大統領も声明で「返答せずにはおかない」と報復の意向を明言した。ロシアのタス通信によれば、同国の要請を受け、国連安全保障理事会が2日(日本時間3日未明)に攻撃を巡る公開会合を開く。
報道では、標的となったのは革命防衛隊の対外工作部門「コッズ部隊」のザヘディ司令官ら。シリアで活動するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラや親イラン勢力との調整役を務めていたとみられる。殺害された革命防衛隊幹部としては、2020年にイラクの首都バグダッドで米軍の空爆により死亡したソレイマニ司令官に次ぐ高位とされる。