ガザ戦闘「終結の時」=人質解放が条件、ネタニヤフ氏退陣を―イスラエル元首相 2024年04月07日 14時25分
【テルアビブ時事】イスラエルのオルメルト元首相(78)は、時事通信とのインタビューで、半年にわたりパレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に関し「終結の時が来た」と述べた。停戦は、ハマスがガザに拘束する人質全員の解放が条件で、軍が準備を進めるガザ最南部ラファでの地上作戦については「必要がない」と主張。ネタニヤフ首相の退陣も求めた。
インタビューは4日、オルメルト氏のテルアビブの事務所で行った。イスラエル軍はこれまでにハマスの24ある大隊のうち20を解体し、約3万人いるという戦闘員のうち1万3000人以上を殺害したとされる。オルメルト氏は「われわれに必要な最大限の目標は達成した」と指摘。ハマスが求める停戦やイスラエル軍のガザ撤退と引き換えに、「無視できない問題」である人質の解放を実現するチャンスだと訴えた。
ネタニヤフ氏が掲げる「ハマス壊滅」という目標は「非現実的だ」と強調。ガザの民間人犠牲の拡大に懸念が高まるラファ侵攻に関しては、ネタニヤフ氏にとって「勝利を見せつけるのに必要なだけだ」と指摘した。
その上で、ネタニヤフ氏の強硬な姿勢がハマスとの合意の妨げになっていると説明し、「解任されることを望んでいる」と語った。
ハマスに関しては、「危険であり、全く信用できない残忍なテロ組織」と言明。戦闘終結後は、欧州諸国を主体とした国際的な部隊が安定化を担い、統治はパレスチナ自治政府が行うべきだとの考えを示した。
ネタニヤフ氏は自治政府のガザへの関与を拒否しているが、オルメルト氏は「自治政府以外に可能な組織はない」と強調した。
オルメルト氏はまた、「平和に勝るものはない」として、パレスチナとの根本的な対立解消のため、パレスチナ国家の樹立を認める「2国家共存」に向けた交渉に着手すべきだと述べた。「占領を永遠に続けるのか。占領はイスラエルを国際社会から遠ざけるとともに、国家の利益に対し代償が大きい」と語った。