与野党、50選挙区で接戦=韓国総選挙、10日投開票 2024年04月08日 17時49分
【ソウル時事】韓国の尹錫悦政権の「中間評価」と位置付けられる総選挙(定数300)の投開票が10日に迫った。保守系与党「国民の力」と革新系最大野党「共に民主党」の二大政党の主戦場となる小選挙区(254議席)は、50区前後が接戦とされ、議席の行方は最後まで予断を許さない。
総選挙は、小選挙区と比例代表(46議席)で選ばれる。有力紙・東亜日報は8日、各党の小選挙区の情勢分析として、国民の力が80~100議席前後を獲得する一方、共に民主党が130~150議席前後を得るとの予想を報じた。
野党の優勢が伝えられるが、世論調査機関「韓国ギャラップ」の幹部は「選挙区のうち50ほどは候補の支持率の差が5%内外のため、誰が勝つか負けるかを予測できない」と指摘する。
結果は対日関係の改善を進めてきた尹大統領の政権運営を左右する。国民の力は、現有が114議席の少数与党。第1党を奪取し、政府と国会の「ねじれ」の解消を目指す。一方、現有156議席の共に民主党は過半数の維持を最大目標とする。
与党が勝利し、国会過半の151議席に達すれば予算、法案、首相や最高裁判事らの任命同意案などを単独で通過させることができる。さらに5分の3の180議席以上を獲得すれば、法案の本会議への単独上程も可能になり、与野党が対立する案件の処理が容易になる。
一方、野党が圧勝し、3分の2の200議席以上を得た場合は、尹氏が拒否権を行使した法案の再可決ができるようになる。大統領の弾劾訴追や憲法改正の国民投票も野党だけで可能になる。
国民の力トップの韓東勲・非常対策委員長は8日の演説で「野党が200議席持てば憲法が変えられるようになり、国が滅ぶ」と訴えた。一方、共に民主党の李在明代表は「与党は自分たちの失策で危機に直面するたびに泣き落とし作戦を展開してきたが、その有効期限は投票日前日までだ」と勝利に自信を示している。