関係安定化へ「前進」=過剰生産、中国と来週議論―米財務長官 2024年04月08日 18時14分
【ワシントン時事】イエレン米財務長官は8日、中国・北京で、訪中を締めくくる記者会見を開いた。昨年11月の米中首脳会談など一連の政府間対話に触れた上で、「この土台に立ち、米国人にとって重要な問題を前進させることができた」と関係安定化に向けた成果を強調した。一方で、中国の過剰生産問題への懸念を表明。両政府高官による経済分野の作業部会を来週に米国で開催し、議論する意向を示した。
訪中では、中国が「台湾独立派」と見なす頼清徳副総統の総統就任を5月に控えて台湾海峡を巡る緊張が高まる中、4日間にわたり、李強首相や何立峰副首相らと会談。作業部会で「均衡ある経済成長」を集中的に議論することで合意し、対話継続への道筋を付けた。
イエレン氏は会見で、中国による電気自動車(EV)や太陽光発電設備などの過剰生産について「人為的に安価な中国製品が世界市場にあふれれば、米企業の存続が危ぶまれる」と指摘し、改めて中国に是正を要請した。日本や欧州のほか、インドなど新興国も含めて「幅広く懸念されている」とも述べた。
中国政府高官との会談では、米議会で禁止法案が審議されている中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を巡って意見交換したと説明。「個人データの保護に懸念を持っている」と語った。
イエレン氏は「やるべき仕事はまだある。米中間の先行きは不透明だ」と話し、粘り強く対話を続ける必要性を訴えた。