野党連合、まとまり欠き弱体化=総選挙前に「寝返り」や離脱―インド 2024年04月08日 19時11分
【ニューデリー時事】インドで5年の任期満了に伴う下院(定数545)総選挙の投票開始が19日に迫る中、野党連合の弱体化が鮮明になっている。選挙戦を優位に進めるモディ首相率いる与党連合への「寝返り」や離脱が続き、統一的な首相候補もいまだ決まっていない。
東部ビハール州で7日に開かれた与党連合の選挙集会で、クマール州首相が隣に座るモディ氏の足を軽く触ったように見える動画がSNSで拡散し、物議をかもした。足に触れるのはヒンズー教で目上の人に敬意を示すあいさつだ。
同州の地域政党を率いる有力政治家のクマール氏は1月、自ら結成に尽力した野党連合「インド国家開発包括同盟(INDIA)」を離脱。インド人民党(BJP)を軸とする与党連合と手を組んだ。寝返りを象徴するような動画が拡散されたことで、野党連合からは「とても気分が悪い」との反応が出た。
背景には、野党連合では総選挙で勝てないとの判断があったとみられている。地元民放などが3月実施した世論調査では、小選挙区で選出される543議席のうち与党連合は399議席、BJP単独でも過半数の342議席を得る見通しだ。これに対し野党連合は94議席にとどまる。
この他、野党「草の根会議派」党首を務める西ベンガル州のバナジー州首相も候補者調整に関する意見の相違を理由に野党連合からの離脱を表明。総選挙を単独で戦う意向を示している。
野党連合の「顔」となる首相候補を巡る内紛も報じられた。モディ氏は7日の演説で「野党連合はビジョンと信頼性に欠ける」などとやゆした。