3連星のうち2個合体か=輝くガス雲の中心―欧州南天天文台 2024年04月12日 18時10分
地球から約3800光年離れた所で輝くガス雲の中心にある連星は、かつては3個の大きな恒星が重力で結び付いた3連星であり、このうち2個が数千年前に合体して数が減った可能性が高いことが分かった。合体の際、大量のガスとちりが周囲に拡散してガス雲が形成されたという。
欧州南天天文台(ESO)などの国際研究チームが、南米チリにあるESOの超大型望遠鏡による観測で解明し、12日付の米科学誌サイエンスに発表した。
この連星はさそり座に近い「じょうぎ座」の方向にある。合体を経た恒星の質量は、太陽の30倍近くあると推定された。大質量の恒星では例が少ない磁場があり、合体によって電離したガスなどが流動したため、磁場を持つようになったと考えられる。
質量が太陽ぐらいの恒星は中心で水素の核融合が起き、周囲で電離した水素などが対流するため、磁場が発生する。質量が太陽の8倍以上ある恒星はパワフルな核融合で熱を放射するため、対流による磁場がない。しかし、合体による流動があれば磁場が存在し得るという。