ウクライナ協議「ロシア大勝利」=停戦実現には懐疑的―プーチン氏と敵対の投資家 2025年02月23日 14時26分

【ワシントン時事】ロシアのウクライナ侵攻から3年を前に、米ロ関係に詳しい投資家ビル・ブラウダー氏が時事通信のインタビューに応じた。トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が合意した停戦交渉開始について、「プーチン氏は今ごろ、小躍りしてシャンパンを開けていることだろう」と指摘し、「プーチン氏にとって願ってもない大勝利だ」との見方を示した。
ブラウダー氏は「(両首脳の)電話会談前は、プーチン氏は戦争犯罪人と見なされていたが、もはや孤立していない」と強調。「米ロが何も合意しなくても、プーチン政権に正当性が与えられた」と分析した。
停戦交渉の見通しについては「プーチン氏は米国の譲歩を全て受け入れるが、自ら譲歩することはない。これまでの交渉でも約束を守らなかった」と主張。その上で「最終的に米ロ関係が緊密になっても、ウクライナ戦争は続くだろう」と停戦実現を疑問視した。
欧米が制裁で凍結した約3000億ドル(約45兆円)のロシア資産のほとんどが欧州にあるとし、欧州諸国がこれを没収してウクライナ支援に充てることも提案。仮に米国の軍事支援が途切れても、「ウクライナは継続的に弾薬を確保でき、有利な交渉ができる」と訴えた。
ブラウダー氏は米国生まれで、現在は英国在住。対ロ投資家として知られたが、ビジネスパートナーの獄死事件をきっかけに、米国でロシアに対する制裁を可能とする「マグニツキー法」の制定に尽力した。欧米メディアは「プーチン氏最大の敵」と称している。