ウクライナ決議、米ロ賛成で採択=非難なし、欧州と亀裂―国連安保理 2025年02月25日 02時09分

24日、ニューヨークでロシアのウクライナ侵攻3年に合わせて開かれた国連総会特別会合
24日、ニューヨークでロシアのウクライナ侵攻3年に合わせて開かれた国連総会特別会合

 【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会(15カ国)は24日、ロシアのウクライナ侵攻3年に合わせて会合を開き、米国が提出した「紛争の迅速な終結」を求める決議を10カ国の賛成多数で採択した。決議はロシア非難を含んでおらず、ロシアが賛成。英仏など欧州5カ国は棄権した。
 2022年2月の侵攻開始後、安保理がウクライナ情勢に関する決議を採択するのは初めて。ウクライナ停戦を目指すトランプ米政権とロシアの接近が浮き彫りとなった形で、ウクライナ支援を巡る米欧の亀裂も露呈した。米国のシェイ国連臨時代理大使は採択を受け「この決議は平和への道筋を付ける第一歩であり、私たちは全員誇りに思うべきだ」と述べた。
 決議はロシアに配慮し、ウクライナ侵攻を「ロシアとウクライナの紛争」と表記。欧州5カ国は「両国を同列に扱うわけにはいかない」として、「ロシアによる全面侵攻」などと表現を強める修正案を出したが、ロシアが拒否権を行使するなどして採用に至らなかった。
 一方、安保理会合に先立ち国連総会(193カ国)の特別会合が開催され、ウクライナと欧州諸国が中心となって提出したロシア軍に即時撤退を求める決議が日欧など93カ国の賛成多数で採択された。この採決で、米国やロシア、北朝鮮を含む18カ国が反対票を投じた。 

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