G7首脳、声明調整難航=ウクライナ侵攻、足並み乱れ―ゼレンスキー氏「団結」訴え 2025年02月25日 10時53分

24日、キーウで先進7カ国(G7)首脳のテレビ会議に臨むウクライナのゼレンスキー大統領(左から2番目)、カナダのトルドー首相(同3番目)ら(EPA時事)
24日、キーウで先進7カ国(G7)首脳のテレビ会議に臨むウクライナのゼレンスキー大統領(左から2番目)、カナダのトルドー首相(同3番目)ら(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】先進7カ国(G7)首脳は24日、ロシアのウクライナ侵攻3年に合わせてテレビ会議を開き、対応を協議した。トランプ米政権がロシアへの融和姿勢を強める中、足並みの乱れが露呈。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席してG7の団結を訴えたが、首脳声明の取りまとめに向けた調整は難航している。
 ゼレンスキー氏は、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問中のカナダのトルドー首相らと共に会議に参加。ウクライナや欧州の頭越しにロシアと交渉を進める方針のトランプ米大統領に対し「私たちが団結すれば、真の永続的な平和が実現できる」と直接呼び掛けた。石破茂首相も「日本はウクライナ支援と対ロ制裁を継続する」と語り、G7の結束を求めた。
 ただ、当初予定していた首脳声明は出ていない。ロイター通信によると、議長国カナダのジョリー外相は会議終了後の記者会見で「まだ話し合いが続いている」と説明。報道によれば、トランプ政権が過去のG7声明で使用されてきた「侵略」を和らげ、「紛争」と表現するよう要求。ジョリー氏は「外相になって3年半になるが、これほど激しい交渉はなかった」と話し、依然として米国との隔たりが大きいことを示唆した。
 トランプ氏は会議について「全員が戦争の終結を望んでいると表明した」とSNSに投稿。ウクライナとの鉱物資源の「取引が重要だ」と強調したといい、米国がウクライナ支援にかけた費用の「回収」を優先させる意向を示した。 

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