正恩氏、軍の思想引き締め=ロシア派兵念頭か―北朝鮮 2025年02月25日 17時33分

【ソウル時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は24日、政治将校の養成機関である金日成政治大学で演説し、「軍隊を軍事技術で武装する前に、思想的に武装することが軍建設の中核になる」と訴えた。党や国家への忠誠心を一層高めるよう引き締めを図った形だ。朝鮮中央通信が25日伝えた。
正恩氏は「現代の戦争を考察してみても、思想建設を無視した軍事技術中心論の限界を如実に見ることができる」と指摘。「世界の激変の中で、建国以来初めての変革闘争を展開している」として、「軍の役割はいつにも増して重要だ」と訴えた。
北朝鮮はウクライナ侵攻を続けるロシアに対し1万人以上の兵士を派遣しているとされる。過去にない大規模な海外派兵で、正恩氏の発言はこれを念頭に置いたものとみられる。韓国政府系シンクタンク、統一研究院の洪※(※王ヘンに民)先任研究委員は「(正恩氏は)戦線での北朝鮮軍の心理的な弛緩(しかん)を憂慮している」と指摘した。