囚人・遺体の同時帰還で合意=イスラエルとハマス―ガザ停戦 2025年02月26日 15時29分

人質の遺体を納めたとみられるひつぎを運ぶイスラム組織ハマスのメンバー=20日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス(AFP時事)
人質の遺体を納めたとみられるひつぎを運ぶイスラム組織ハマスのメンバー=20日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニス(AFP時事)

 【イスタンブール時事】イスラム組織ハマスは、パレスチナ自治区ガザでの停戦合意に基づき、パレスチナ囚人約600人の釈放とハマスの元に留め置かれている4人の遺体の返還を同時に実施する合意が成立したと発表した。イスラエル当局者も確認した。囚人の釈放は先週に予定されていたが、イスラエルが延期していた。囚人の釈放と遺体の返還は、仲介国エジプトが監視して行われる見通しという。イスラエルメディアが26日報じた。
 ハマスは3月初旬が期限の停戦第1段階で、計33人の人質を解放することになっている。イスラエルは、ハマスが人質解放や遺体返還で大げさな「式典」を開催したと主張。「人質への侮辱だ」と反発し、今月22日に行うことになっていた約600人の囚人釈放を先送りした。イスラエルとハマスは、相手が合意に違反したと互いに非難。停戦合意の崩壊が懸念されたが、ハマスが「式典」を行わないと約束したという。
 ハマスが遺体を返還し、イスラエル側も囚人釈放を行えば、停戦第1段階は終了することになる。ただ、恒久的停戦を見据えた第2段階に関しては協議が進んでいないもようだ。
 ロイター通信は25日、イスラエル当局者の話として、同国政府が第1段階を延長する案を検討していると報じた。ハマスが依然拘束中の約60人とされる人質を取り戻すことに主眼があるという。
 イスラエル外務省高官は、記者団から第2段階を巡る協議をせずに第1段階を延長するかどうか問われ、「可能性はある。現在の停戦を継続する選択肢も排除しない」と述べた。その上で、ハマスが残りの人質を解放することが前提になるとの認識を示した。 

海外経済ニュース