筑波大生不明、審理差し戻し=チリ人被告の実刑判決破棄―仏最高裁 2025年02月27日 06時38分

【パリ時事】2016年にフランス留学中だった筑波大生、黒崎愛海さん=当時(21)=が行方不明となった事件で、仏破棄院(最高裁)は26日、殺人罪に問われた元交際相手のチリ人、ニコラス・セペダ被告(34)に禁錮28年の実刑を言い渡した控訴審判決を破棄し、審理の差し戻しを命じた。仏主要メディアが伝えた。
控訴審で刑事訴訟法の規定に反する手続き上のミスがあったのが理由で、「極めてまれな決定」(仏紙)。セペダ被告は釈放されず、差し戻し審はリヨンの裁判所で数カ月以内に行われる見通しだ。
23年に東部ブズールで開かれた控訴審では、捜査に当たった警察官が一審で提出しなかった新たな資料を使って証言。弁護側が不当性を訴えたが、裁判長は審理を続行した。判決後、弁護側はこの点が刑訴法違反に当たると主張、上告した。
検察によると、セペダ被告は16年12月、黒崎さんを留学先の東部ブザンソンに訪ね、学生寮の部屋で殺害。遺体は人けのない場所に遺棄したとされるが、捜索で見つからなかった。