詐欺拠点で「邦人1人発見」=ミャンマー武装勢力 2025年02月27日 16時35分

【バンコク時事】ミャンマー東部ミャワディにある特殊詐欺拠点の摘発を進めている地元の少数民族武装勢力「国境警備隊(BGF)」幹部は27日、時事通信の取材に「26日夜に日本人1人を見つけた」と明らかにした。詳しい状況を調べ、今後日本側に通知するとしている。
幹部によると、ミャワディの中国系犯罪組織の一掃を目指すとしているBGFは1月以降、複数の拠点への捜索で約30カ国の7000人以上の外国人を発見。中国人が約4800人で最も多く、日本人は26日に見つかった1人だけという。
発見された人は、だまされてミャンマーに連れて来られ、特殊詐欺に従事させられていたのか、自発的に犯罪に加わったのか調べられている。幹部は「大人数に対応するのは困難で、取り締まり活動は減速している。収容も大きな負担で、送還を進めたいが、時間がかかっている」と説明した。
BGFを巡っては、犯罪組織と癒着し、拠点で詐欺などが行われていることを知りながら利益を得ていた疑いがある。幹部は「犯罪収益は受け取っておらず、得ているのは土地と建物のリース料だけだ。2024年11月に詐欺が行われていることに気付き、取り締まりを始めた」と疑惑を否定した。
ミャンマー側はこれまでに約600人の中国人らをタイ経由で送還し、今月27日には84人のインドネシア人をタイ側に引き渡した。日本人は10代の高校生2人が保護される一方、特殊詐欺に関与したとして男5人がタイ警察に拘束され、1人は現在もタイの入管施設にいる。