「対トランプ」戦略に亀裂=闘争か協力か、世代間分断も―米民主 2025年03月15日 14時28分

米民主党上院のシューマー院内総務(左)と同党下院のジェフリーズ院内総務=2024年12月、ワシントン(AFP時事)
米民主党上院のシューマー院内総務(左)と同党下院のジェフリーズ院内総務=2024年12月、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】トランプ米大統領の与党共和党との対決戦略を巡り、野党民主党が苦悩している。ベテラン勢率いる上院執行部は一定の協力をしながら「ブレーキ役」を目指す一方、ここ数年で大幅に若返った下院執行部は全面闘争を要求。「対トランプ」で世代間の分断が顕在化しつつある。
 「次の質問をどうぞ」。民主党下院トップのジェフリーズ院内総務(54)は14日の記者会見で、党上院トップのシューマー院内総務(74)を信頼するか質問され、あからさまに回答を避けた。上院執行部の交代を求めるかを問われた際も明確に否定せず、両院指導部に「驚くべき亀裂が生じた」(米政治専門紙ポリティコ)と伝えられた。
 きっかけはシューマー氏が13日、共和党主導のつなぎ予算案に賛成の意向を表明したことだ。シューマー氏は仮に予算切れとなり政府閉鎖に陥れば、「政府効率化」の名の下で連邦組織縮小に取り組むトランプ氏や実業家イーロン・マスク氏の思うつぼだと主張。だが、ジェフリーズ氏は「対決は怖くない」と強硬に反対する。
 トランプ氏は2期目就任以降、対外援助や政府補助金の凍結、多様性政策の廃止、連邦職員の大規模解雇などを強引に進めてきた。民主党支持層は怒りを募らせ、トランプ氏を止めるよう行動を求める声が高まっている。
 分断の淵に立つ民主党を尻目に、共和党はトランプ氏の返り咲き後、団結を強めている。「シューマー議員は賢い。米国は全く新しい方向へと進むだろう」。トランプ氏は14日、満足げにSNSにつづった。 

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