軍最高幹部、動静途絶える=3週間以上不在で失脚説も―中国 2025年04月03日 19時17分

【北京時事】中国軍の最高指導機関である中央軍事委員会の何衛東副主席の動静が途絶えて3週間以上たち、動向に関心が集まっている。失脚説もささやかれており、7人で発足した中央軍事委の半数近くが不在となる異例の事態になる可能性がある。
中央軍事委は習近平国家主席がトップを務めている。3日付の軍機関紙・解放軍報は、2日に北京で中央軍事委のメンバーが参加する植樹活動が開かれたと報じた。活動には、もうひとりの副主席である張又侠氏らが出席したが、記事には何氏の名前はなかった。この活動には中央軍事委メンバーが43年連続で参加しているといい、何氏も昨年は姿を見せていた。
何氏は、先月11日の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の閉幕式に出席したと国営メディアが伝えて以降、公の場に姿を現していない。先月中旬ごろから「X(旧ツイッター)」や在外華人系メディアなどでは、「拘束され汚職調査を受けている」との情報が拡散。米紙ワシントン・タイムズ(電子版)は先月25日、複数の米当局者の話として「何氏が失脚した」と報じた。
香港メディアによると、中国国防省の呉謙報道官は先月27日の記者会見で、何氏の失脚報道について「情報はなく、承知していない」と回答。呉氏は昨年11月に董軍国防相の失脚報道が出た際には否定しており、対応の違いも臆測を呼んでいる。
習指導部は軍での汚職摘発を強化しており、高官の更迭が相次いでいる。昨年6月には、李尚福前国防相、魏鳳和元国防相が共産党の党籍剥奪処分を受けた。同11月には、中央軍事委の苗華委員が「重大な規律違反」の疑いで調査を受けていることも明らかになった。