中国、「反中」拡散にいら立ち=次期政権と関係改善模索―韓国・尹大統領罷免 2025年04月04日 15時23分

中国の習近平国家主席=3月28日、北京(EPA時事)
中国の習近平国家主席=3月28日、北京(EPA時事)

 【北京時事】中国の習近平政権は、韓国の尹錫悦大統領と支持者が反中感情をあおっているとしていら立ちを強めてきた。トランプ米政権への対抗上、韓国とは関係改善を進めたいのが本音。混乱の早期沈静化と対中融和的な政権への交代を望んでいるとみられる。
 尹氏側は「非常戒厳」宣言の背景として、中国による選挙への介入があったと主張。尹氏の支持者らも同調し、ソウルの中国大使館周辺でデモを展開するなどした。
 中国は戒厳後、「韓国の内政問題については論評しない」(外務省報道官)と静観してきたが、尹氏の中国に対する見解には強く反発している。中国の戴兵・駐韓大使は2月下旬、韓国メディアとの懇談で「一部の勢力が中国に関するデマを広げ、関係改善への努力に悪影響を与えている」と主張。中国に批判的な報道をしないようくぎを刺した。
 韓国は今秋、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を開催予定で、2014年以来となる習国家主席の訪韓が調整されている。ロシアに接近する北朝鮮の動向に神経をとがらせていることもあり、習氏は韓国の政情安定後、停滞気味の対韓外交を前進させるシナリオを描いているもようだ。 

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