野党は李氏が独走=与党、尹氏との差別化カギ―韓国大統領選 2025年04月04日 19時13分

革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表=3月7日、ソウル(EPA時事)
革新系最大野党「共に民主党」の李在明代表=3月7日、ソウル(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦大統領が罷免され、6月初旬までに実施される大統領選に向けた戦いが始まった。革新系最大野党「共に民主党」では、前回、尹氏に僅差で敗れた李在明代表が圧倒的優位に立つ。与野党とも中道層の取り込みが課題。群雄割拠の保守系与党「国民の力」は、これまで尹氏支持で結束した保守層を確保しつつ、短期決戦の中で尹氏と差別化を図れるかがカギとなりそうだ。
 与野党とも直ちに党の候補選びに突入し、予備選後すぐに本選という慌ただしいスケジュールになる。
 世論調査機関「韓国ギャラップ」が4日に発表した次期大統領にふさわしい人物の調査で李氏の支持率は34%と断トツ。最大のリスクとされた公選法違反事件を巡っては3月26日の控訴審判決で逆転無罪を勝ち取り、野党内の「一強体制」も固めた。検察は上告したが、最高裁判決は大統領選までに出ないとみられ、追い風に乗っている。
 ただ、このほかにも北朝鮮への不正送金など4件の裁判を抱え、「刑事被告人」が大統領になることに対する批判もつきまとう。尹氏の弾劾を主導した李氏は党内に熱狂的な支持層を抱える半面、主張が頻繁に変わる点や数々の疑惑から党外に「アンチ」が多いのが弱点。李氏は「われわれの社会に必要なのは理念ではなく実用主義(現実主義)」「共に民主党は成長を重視する中道保守」と言及するなど、支持拡大に向け右寄りの姿勢も見せる。
 与党は金文洙雇用労働相、韓東勲前党代表、洪準杓大邱市長、呉世勲ソウル市長らの名前が挙がり、混戦模様だ。
 尹氏の弾劾反対運動を通じて保守層の動きが活発化したが、中道層は弾劾賛成が多数派。与党には、党予備選では保守層の影響力が大きい一方、本選で中道層へ支持を拡大するには「脱尹錫悦」を示すことが不可欠というジレンマがある。
 金、洪両氏は尹氏の弾劾に反対し、韓、呉両氏は尹氏と距離がある。特に韓氏は昨年12月に弾劾訴追に賛成して党代表を辞任。2月、尹氏を批判する著書を出版した。釈放され自由の身となった尹氏が党の候補選びで影響力を行使するかも焦点になる。尹氏は4日、公邸で面会した与党幹部らに対し、「党を中心に大統領選の準備をしっかりし、必ず勝利してほしい」と伝えた。
 また、若年男性に人気を誇った元与党代表で、尹氏と対立して事実上追放された保守系少数野党「改革新党」の李俊錫議員も出馬を表明している。尹氏と距離を置く与党候補なら連携する可能性もある。 

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韓国の金文洙雇用労働相=2024年7月、ソウル(EPA時事)
韓国の金文洙雇用労働相=2024年7月、ソウル(EPA時事)
韓東勲・前「国民の力」代表=2024年12月、ソウル(EPA時事)
韓東勲・前「国民の力」代表=2024年12月、ソウル(EPA時事)
洪準杓大邱市長=2011年9月、ソウル(AFP時事)
洪準杓大邱市長=2011年9月、ソウル(AFP時事)
呉世勲ソウル市長=2月4日、ソウル(EPA時事)
呉世勲ソウル市長=2月4日、ソウル(EPA時事)

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