米特使、ハマスに一時停戦の受諾要求=ガザで国連不在の物資配給開始 2025年05月27日 14時18分

【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉を巡り、イスラエルとイスラム組織ハマスの仲介役を務める米国のウィトコフ中東担当特使は26日、一時戦闘を停止し一部の人質を解放する案が「議題に上がっている」と明かし、ハマスに受け入れを迫った。CNNテレビ(電子版)が報じた。
ガザでは依然58人がハマスに捕らわれており、イスラエル政府はうち20人が生存しているとみている。ウィトコフ氏によると、議論されているのは、存命の人質の半数を解放し、死亡した人質の遺体の半数を引き渡すことと引き換えに、一時停戦に入る内容だ。
ウィトコフ氏は戦闘の停止期間を明らかにしなかったが、イスラエルは同意するつもりだと指摘。また、「恒久停戦に至る道を見いだす実質的交渉につながる」と話し、一時ではなく恒久的な停戦を求めるハマスへの配慮も示した。
ロイター通信はこれより先、70日間戦闘を停止し、人質10人を返還する案をハマスが受け入れたと報道。しかしウィトコフ氏はこれについて、自身の案ではなく「まったく受け入れ難い」と述べた。
AFP通信によると、食料不足が深刻化するガザでは26日、米国とイスラエル主導の新たな枠組みで支援物資の配給が始まった。配給に当たる「ガザ人道財団」は、90日間で約3億食を提供するとしている。国連は中立性・独立性を保てないとして、枠組みには参加しない方針だ。