国連、ガザ検問所の開放要求=食料に住民殺到、イスラエル発砲も 2025年05月28日 14時27分

【カイロ時事】国連人道問題調整事務所(OCHA)報道官は27日、ジュネーブで記者団に対し、パレスチナ自治区ガザで始まったイスラエルと米国主導の支援物資配給について、「本当に必要なことから目をそらすものだ」と批判し、ガザ境界の検問所の開放をイスラエルに要求した。ロイター通信などが報じた。
イスラエルは18日、ガザへの支援物資配給を2カ月半ぶりに認めると発表した。しかし、ガザ入りする物資すべてを検査し、イスラム組織ハマスによって軍事的に利用される恐れがあるものの通過を拒否。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)幹部は、物資を積んだトラック3000台以上がガザの外に留め置かれているとして、制限なしに物資を搬入すべきだとの認識を示した。
米・イスラエル主導の枠組みで設立された「ガザ人道財団」は26日、物資配給を始めたと発表。しかし、最南部ラファでは27日、配給所に住民数千人が押しかけ、警護を担当するイスラエル軍が警告のため発砲した。国連はこの混乱で47人が負傷したと公表した。