日韓懸案「尹氏の枠組み覆さず」=李在明氏勝利の場合で識者―韓国大統領選 2025年05月28日 18時03分

28日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見する木宮正史・前東大大学院総合文化研究科教授
28日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見する木宮正史・前東大大学院総合文化研究科教授

 6月3日投開票の韓国大統領選を前に、木宮正史・前東大大学院総合文化研究科教授(朝鮮半島地域研究)が28日、東京都内の日本記者クラブで会見した。木宮氏は支持率でリードする革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表が当選した場合の対日政策について、「元徴用工訴訟などに関し、尹錫悦前政権による解決の枠組みを覆すことはないだろう」と指摘。日米との関係強化を重視するとの見方を示した。
 李氏は過去に、「日本は敵性国家」と言及するなど、日本に対して厳しい発言を繰り返してきた。しかし、今回の大統領選では日本を「重要な協力パートナー」と強調している。
 こうした言動について木宮氏は、保守寄りへの軌道修正の一環と説明。米中対立が先鋭化し、韓国の若年層で中国に対する厳しい見方が強まる中、「日米との関係を深めるほうが現実的で、世論の支持も得られる(と判断しているの)だろう」と述べた。
 一方、日本政府に対しても、歴史問題などで現状変更するような姿勢を見せないことが重要だと指摘した。 

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