対イラン国連制裁復活へ=中ロ提案の延長案否決―安保理 2025年09月27日 06時49分

【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は26日、イラン核合意を巡る会合を開き、中国とロシアが提出した対イラン国連制裁の復活を阻止する決議案を否決した。米英仏など9カ国が反対し、採択に必要な9カ国に届かなかった。
英仏独とイランの交渉に進展がなければ、米東部時間27日午後(日本時間28日午前)に制裁が再発動する見通し。賛成は中ロなど4カ国で、韓国など2カ国が棄権した。
2015年の核合意を受け、イランへの国連制裁は停止された。一方で、合意にはイランが重大な違反をした場合に制裁を再開できる「スナップバック」と呼ばれる規定があり、英仏独は8月末に手続きに着手。これに対し、中ロの決議案は規定の期限を来年4月18日まで半年間先送りするよう提案していた。
英仏独はイラン側に国際原子力機関(IAEA)による核施設査察などに応じるよう求め、手続き開始後も交渉を続けてきたが、フランスのボナフォン国連大使は「イランは行動を示さなかった」と指摘。シェイ米国連次席大使は「27日の制裁再開を支持する」と否決を歓迎した。
会合に出席したイランのアラグチ外相はスナップバックは「法的に無効で、手続き上も欠陥がある」と主張。会合後には記者団に対し、制裁が再開した場合「外交が死ぬことはないが、確実に困難になる」と強調し、今月新たに結んだIAEAとの協力継続の合意も「残念ながら実行できないだろう」と述べた。一方で、現在も検討中の欧州側への提案があることも明かした。