ワンピース海賊旗、「抵抗の象徴」=アジア各国のデモに 2025年09月27日 14時14分

【ジャカルタ時事】日本の人気漫画「ONE PIECE(ワンピース)」の海賊旗が、アジア各国の抗議デモで使われている。インドネシアやネパール、東ティモール、フィリピンで確認されており、若者の間で「抵抗の象徴」として広がりつつある。
インドネシアでは7月、プラボウォ大統領が8月17日の独立80周年に合わせて国旗掲揚を呼び掛けたのに対し、反発した人たちがワンピースの海賊旗を掲げる動きが拡大。政府が「国旗の名誉を傷つける行為は刑事罰の対象となり得る」と警告する事態にまで発展した。
その後、海賊旗は国会議員の高額な住宅手当への不満をきっかけに8月25日に始まった大規模デモに登場。権力と闘う主人公の姿が共感を呼んでいるとして、国内外のメディアが「ワンピースの旗が抵抗の象徴となった」と伝えた。
海賊旗の使用は、続くネパールや東ティモールのデモでも伝えられた。今月21日にフィリピンの首都マニラで行われた汚職への抗議デモでも確認され、旗を手に参加した男性(18)は、「インドネシアやネパールのデモに刺激を受けた」と明らかにした。
日本発のポップカルチャーの東南アジアへの越境や受容を研究する東京外国語大の床呂郁哉教授は、旗が広まった背景を「インドネシアやネパールで起きた現象が、SNSで日常的に世界各地のニュースを視聴する若者の間で他の国に伝わった」と分析。海賊旗が「細かい立場の違いを超えて理解可能なメッセージを伝え得るアイコンとして機能した」と指摘した。
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