1月27日 FOMC 長期目標と金融政策・ストラテジーに関する声明  2021年01月28日 16時37分

連邦公開市場委員会(FOMC)、長期目標と金融政策ストラテジーに関する声明 

[日本語訳 ゴールデンチャート社] 2012年1月27日                        

 連邦公開市場委員会(FOMC)は、議会からの法的任務として最大雇用、物価安定、適度な長期金利に関する目標を達成すべく推進していく重大な責務を託されています。当委員会は、金融政策の決定内容をできる限りわかりやすく国民に説明することに努めています。こうした明確な説明は、家庭や企業において十分な情報を提供することで意思決定を容易にし、経済界や金融界の不確実性を低減させ、金融政策の有効性を強め、透明性を高めるとともに説明責任を果たすためであります。これらは民主主義社会において不可欠な要素です。

 雇用、インフレ、長期金利は、経済や金融の混乱に反応して時間の経過とともに変動します。金融政策はこのような混乱に対応して、経済を安定させるための重要な役割を果たしています。当委員会が金融政策スタンスを適合させてくための主な手段は、フェデラル・ファンド・レートのターゲット・レンジを変更することです。当委員会は、長期的な視野に立って見た場合、最大雇用と物価の安定を実現するためのフェデラル・ファンド・レートは、過去の平均値に比べて低い水準にあると考えています。したがって、フェデラル・ファンド・レートが低い範囲に抑えられていることで、過去に比べ効果を発揮する頻度が高いと考えられます。当委員会は、金利が有効性のある低いレートの近傍にあることが、部分的にも雇用やインフレリスクを低減させていると判断しています。当委員会は、最大雇用と物価安定の目標を達成するために、あらゆる手段を用いる用意があります。

 最大レベルの雇用とは、広範で包括的な目標であり、その目標は直接測定できるのもではなく、労働市場の構造とダイナミクスに影響を与える非金銭的な要因によって時間とともに変化するものであります。したがって、当委員会の政策決定では、雇用に関する固定的な目標を定めることは適切ではなく、最大雇用に達していないとの評価に基づいて行われる必要があります。そのような評価は必然的に不確実なものであり、将来修正される可能性があると認識しています。

 長期的なインフレ率は主に金融政策によって決定されるため、当委員会はインフレ率の長期的な目標を定めることができます。インフレ率については個人消費の物価指数の年率で測定されるデータをみていますが、当委員会は連邦準備制度の法的な使命として、インフレ率が長期的に2%に固定化したか否かを再評価していきます。当委員会は、2%にしっかりと定着するような長期的なインフレ目標が、物価の安定と長期金利の適正化をもたらし、深刻な経済的困難に直面しても最大雇用の実現を促進していくことになりますが、そのことによって当委員会の能力を高められると考えています。長期的なインフレ期待をこの目標水準に安定させるために、当委員会は長期的に平均2%のインフレ率を達成することを目指していますが、今後、インフレ率が持続的に2%を下回っている期間が過ぎた後、しばらくの間、適切な金融政策によって2%を適度に上回るインフレ率の達成を目指すことになるでしょう。

 金融政策の実施は、経済活動、雇用、物価にラグ(時間的遅れ)を伴って影響を与える傾向があります。金融政策の施策において、当委員会は、当委員会が設定する最大レベルの雇用に対する不足分、長期インフレ目標からの乖離を時間をかけて削減していくことを目指しています。

 したがって、当委員会の政策決定には、当委員会の長期目標、中期的な見通し、およびリスクバランスへの評価が反映されています。そのリスクには当委員会の目標達成を妨げる可能性のある金融システムのリスクも含まれています。

 当委員会の雇用目標とインフレ目標は一般論として、補完的であります。しかしながら、当委員会が設定する目標が、補完的でないと判断した場合には、雇用の不足とインフレの乖離、および雇用とインフレの時間軸での差異を考慮したうえで、当委員会の使命として、雇用とインフレの目標に合致する水準に戻されていくと考えています。

 当委員会は、毎年1月の年次会合でここで示した金融政策理念を見直し、必要に応じて修正を行うとともに、概ね5年ごとに金融政策ストラテジー、手段、コミュニケーション慣行について徹底した公開レビューを行うことにしています。

■関連情報(外部サイト)

FOMC、長期目標と金融政策ストラテジーに関する声明(原文、PDF)