「量的引き締め」終了も=今後数カ月で―米FRB議長 2025年10月15日 07時40分
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日、東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで講演し、FRBの保有資産を縮小する「量的引き締め」に関し、終了する段階に「今後数カ月で達する可能性がある」との見通しを示した。終了の判断に当たっては「幅広い指標を注視していく」と語った。
FRBはコロナ禍で急激に悪化した景気を下支えするため、事実上のゼロ金利政策を導入するとともに、国債などの資産を買い取る量的金融緩和に乗り出した。この結果、FRBの総資産は一時9兆ドル(約1400兆円)近くと、コロナ禍前の2倍以上に膨張した。
2022年以降、保有資産を徐々に縮小する量的引き締めを開始したことで、現在は約6兆6000億ドル程度に減少した。パウエル氏は「流動性の状況が次第に引き締まりつつあるという一部の兆候が表れ始めた」と指摘した。総資産の縮小には、金融引き締め効果があるとされる。