〔NY金〕4日続伸、3244.60ドル=史上最高値―週間では約7%高(11日) 2025年04月12日 04時05分

 【ニューヨーク時事】週末11日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産としての金買いが活発化し、4日続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比67.10ドル(2.11%)高の1オンス=3244.60ドルと、中心限月の清算値ベースで前日に続き、史上最高値を更新した。週間では6.90%高となった。
 中国政府は11日、米国からの全輸入品に課す報復関税の税率を84%から125%に引き上げると発表。米政権は10日、中国からの輸入品に対する追加関税の税率が計145%になると明らかにしていた。米中の関税合戦の先行きに不透明感が漂う中、景気減速懸念が再燃。安全資産としての金需要が高まり、金は買い進まれた。ドルが主要通貨に対し下落したことも、ドル建てで取引される商品の割安感につながり、相場を支援した。
 米労働省が朝方発表した3月の卸売物価指数(PPI)は前月比0.4%低下と市場予想(0.2%上昇=ロイター通信調べ)を大きく下回ったほか、エネルギーと食料品を除いたコア指数も前月比0.1%低下と、予想(0.3%上昇)を下回った。一方、米ミシガン大学が発表した4月の景況感指数(暫定値)は50.8と、前月(57.0=確報値)から低下し、市場予想の54.5を下回った。1年先期待インフレ率は6.7%と1981年以来の高水準となった。これらの指標に対する相場の反応は限られた。
 CMEグループのフェドウオッチによると、現時点で市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が6月に政策金利を0.25%引き下げる確率を6割超ほど織り込んでいる。

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