〔NY外為〕円、143円台半ば(11日) 2025年04月12日 06時44分
【ニューヨーク時事】週末11日のニューヨーク外国為替市場では、米中の貿易戦争激化への警戒感が根強い中、円買い・ドル売りがやや優勢となり、円相場は1ドル=143円台半ばに上昇した。午後5時現在は143円48~58銭と、前日同時刻(144円38~48銭)比90銭の円高・ドル安。
米中の貿易戦争激化を巡るリスク警戒感を背景に円買い・ドル売りが先行し、ニューヨーク市場は142円61銭で取引を開始した。しかしその後、米長期金利の指標とされる10年債利回りが、2月以来の高水準である4.59%近辺で上げ一服となり上昇幅を縮小。さらに好決算を発表した米金融大手JPモルガン・チェースやアップルが買いをけん引し、ダウ平均は一時800ドル超高となり4万ドル台を回復した。米国の株式、長期国債、通貨がそろって売られる「トリプル安」に歯止めがかかると、ドル売り圧力が徐々に後退。円は一時144円20銭までレンジを切り下げる展開となった。
中国政府は11日、米国からの全輸入品に課す報復関税の税率を84%から125%に引き上げ、12日から発動すると発表。一方、トランプ米政権が1月の発足以来、段階的に引き上げてきた中国産品輸入に課した税率は145%に上昇している。中国は今後、米国との関税引き上げ競争で対抗しないと表明しているが、「非対称措置」による報復で対米圧力を強めていくとみられ、先行きは依然不確実性が高い。
この日午前発表された一連の米経済指標は強弱まちまちの結果で、反応は限定的だった。3月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.7%上昇、前月比0.4%低下と、いすれも市場予想を大幅に下回り、インフレの落ち着きを示唆。一方、ミシガン大学が午前発表した4月の米消費者景況感指数(暫定値)は50.8と、前月(確報値)の57.0から大幅低下。1年先の期待インフレは6.7%と、1981年以来の高水準となった。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1357~1367ドル(前日午後5時は1.1194~1204ドル)、対円では同162円95銭~163円05銭(同161円89~99銭)と、1円06銭の円安・ユーロ高。