空母「福建」が試験航海=来年就役か、台湾に圧力―中国 2024年05月01日 16時17分
【北京時事】中国3隻目の空母「福建」が1日、試験航海を始めた。動力や電力システムの確認を行い、何回かの試験航海を経て2025年にも就役する見通し。習近平政権は台湾侵攻の可能性を念頭に海軍力を増強しており、今月20日に台湾で新政権が発足する前に、圧力をかける狙いもうかがえる。
中国国営中央テレビは、福建が1日午前8時ごろ、上海の造船所を出て試験航海を開始したと伝えた。上海海事局はこれに先立ち、「軍事活動」のため1~9日に上海沖の東シナ海に航行禁止区域を設定。福建は、同区域に向かったとみられる。
軍事専門家は同テレビで、3隻体制が整えば、1隻ずつ補修、訓練、作戦の順番でローテーションを組んで運用し、「重要な海域で常に空母を展開できる」と強調。一方、福建は艦載機を効率的に射出する電磁カタパルトを採用するなど新たな技術が多く、試験航海の期間は配備済みの2隻より「長くなる」という見方を示した。
福建は22年6月に進水した。動力は通常型。満載排水量は約8万トンで、配備済みの「遼寧」「山東」よりも大型化した。
遼寧、山東はそり上がった甲板から艦載機が発艦する「スキージャンプ式」。今回、カタパルトを初めて搭載したことで、重い哨戒機などの運用が可能になり、防御能力が大幅に向上する。
中国は台湾侵攻時に米軍を西太平洋から排除できる軍事力の獲得を目指しているとされる。香港紙によれば、中国軍は35年までに空母を6隻体制にする計画。海軍高官は3月、4隻目の空母を建造中だと初めて公式に認めた。