インド太平洋とウクライナ議題に=NATO、中国けん制―首脳会議最終日 2024年07月11日 14時15分
【ワシントン時事】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は11日、ワシントンで最終日の討議を行う。岸田文雄首相らインド太平洋地域4カ国の首脳を招待した会合では、連携強化を確認。ウクライナ情勢を話し合う理事会には、同国のゼレンスキー大統領が参加する。
NATOは10日の討議後に発表した共同宣言で、覇権的な動きを強める中国を「ロシアの重要な支援者」と明記し、軍事転用も可能な部品や原材料の供与など、「物質的・政治的な支援の停止」を求めた。
NATOのストルテンベルグ事務総長は10日の記者会見で、ロシアと中国、イラン、北朝鮮の接近は「一時的な協調ではなく戦略的な転換だ」と懸念を表明。インド太平洋地域とは「連携を深め続ける」と強調した。共同宣言にも、偽情報対策やウクライナ支援といった実務面での協力強化を盛り込んだ。
NATOは10日、ウクライナの継続支援を主要議題に討議した。2025年末までに加盟国全体で少なくとも400億ユーロ(約7兆円)規模の軍事支援を実施することで合意。同年の首脳会議で進捗(しんちょく)状況を評価する。また、ドイツに司令部を新設するなど、NATOの調整役としての機能強化を決めた。
ウクライナのNATO加盟については、加盟国が合意し条件を満たせば同国を招待するという従来路線を再確認。ただ、「ウクライナの欧米への統合に向けた不可逆的な道を進むため、加盟国が支援を続ける」と記すにとどめた。