タイ憲法裁、最大野党に解党命令=不敬罪改正は「国家転覆」 2024年08月07日 17時50分
【バンコク時事】タイ憲法裁判所は7日、昨年の総選挙で王室に対する不敬罪の改正を公約に掲げたことは「国家転覆」に当たるとして、下院最大勢力の野党・前進党の解党を命じた。ピター前党首ら幹部の政治活動も10年間禁止した。
タイの憲法裁は王室や軍といった保守層の影響が強いとされる。選挙で第1党となった政党が解党処分となったことで、タイの民主主義の在り方に批判が強まりそうだ。
ピター氏は判決後の記者会見で「選挙で勝利した政権や政党がクーデターで倒されたり解党されたりするという悪循環を断ち切り、タイを完全に民主化するために最善を尽くす」と訴えた。
憲法裁は判決で「選挙での不敬罪改正の利用は王室と国民を対立させることを意図しており、君主制を弱体化させる」と前進党を非難した。
前進党は昨年5月の総選挙(定数500)で王室や軍の改革を掲げ、151議席を獲得した。王室や軍を支持する上院議員らの反発で政権樹立には失敗したが、高い人気を維持している。