ハリス氏の勢いに焦り=トランプ氏、長時間会見で「極左」批判―米大統領選 2024年08月09日 14時22分
【ワシントン時事】トランプ前米大統領(78)は8日、南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」で記者会見を開き、返り咲きを狙う11月の大統領選で対決する民主党候補のハリス副大統領(59)について、「極左」「賢くない」などと批判を先鋭化させた。ハリス氏が「オバマ元大統領以来」(米メディア)とも言われる熱狂を生む中、注目を取り戻そうと焦りを強めているもようだ。
ハリス氏の指名受諾後、トランプ氏が不特定多数のメディアの取材に応じるのは初めてだ。1時間超にわたった会見では、「彼女は記者会見ができるほど賢くない。米国には賢いリーダーが必要だ」と強調。党予備選を経ず指名され、対立候補や記者の厳しい質問に答えた経験がないとして、ハリス氏の資質に疑義を呈した。
政治サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた各種世論調査結果の平均では、ハリス氏が全米支持率でトランプ氏を猛追し、5日以降は逆転した。トランプ氏は選挙戦略の変更について問われたが、「何も修正していない。(争点は)国境問題と犯罪対策だ」と強弁した。
だが、ワシントン・ポスト紙によると、周囲には「(再選出馬を断念した)バイデン(大統領)を退治したのに、ハリスも倒さなければならないのは不公平だ」と弱気を見せている。6日には「バイデンが(19日からの)民主党大会で指名を取り戻そうとする可能性は、どれくらいだろうか」とSNSに投稿し、バイデン氏との再対決に未練をにじませた。
トランプ氏は会見で、支持者らによる2021年1月の連邦議会襲撃事件に関し、複数の死者が出たにもかかわらず「一人も死んでいないのに、関係者が不当な扱いを受けている」と誤った主張も展開した。同氏は先に、ハリス氏の出自を巡り「インド人から黒人になった」と発言し、批判されたばかり。メディア露出の強化が巻き返しにつながるかは不透明だ。