バンス氏、際立つ欧州嫌悪=政権内、対外関与に温度差―米機密誤送信 2025年03月27日 14時12分

【ワシントン時事】米誌アトランティックの報道で明らかになったイエメンの親イラン武装組織フーシ派攻撃に関するトランプ政権高官のやりとりは、対外関与を巡る政権内の温度差も浮き彫りにした。バンス副大統領が「欧州を助けたくない」と作戦に不満を示したのに対し、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)らは「航行の自由」の重要性を唱え、実施を後押しした。
同誌によると、紅海で商船襲撃を続けるフーシ派への攻撃について、バンス氏は当初「われわれは間違いを犯そうとしている」と延期を主張。中東航路への依存度は米国より欧州の方が圧倒的に高いと指摘し、米国主導の作戦は「国民の理解を得られない恐れがある」と再考を促した。
これに対しウォルツ氏は、欧州諸国の海軍力の限界に触れ「残念ながら米国にしかできない」と反論。ヘグセス国防長官は「欧州の『ただ乗り』への嫌悪には全く同感だ」とバンス氏に理解を示した上で、航行の自由と抑止力の復活に資すると作戦実行を支持した。
バンス氏は「欧州を助けたくないだけだ」と重ねて訴えたが、最終的には2人に同意した。ミラー大統領次席補佐官とみられる人物の投稿によれば、トランプ大統領は作戦にゴーサインを出した一方で、航行の安全確保に対する見返りを欧州やエジプトから引き出すべきだとの考えを示したという。