AP通信取材禁止は「違憲」=政権に仮差し止め命令―米地裁 2025年04月09日 16時13分

【ワシントン時事】米AP通信がメキシコ湾を「アメリカ湾」に改称するトランプ政権の方針に従わず、大統領執務室などでの取材を禁止された問題で、ワシントンの連邦地裁は8日、政権側の対応は報道の自由を保障する憲法に違反する可能性が高いとして、取材拒否の仮差し止め命令を出した。
判事は言論や報道の自由を定めた憲法修正1条に言及し、「政府が一部のジャーナリストに取材機会を提供した場合、見解の相違を理由に他のジャーナリストの取材を拒否することはできない」と指摘。取材再開を求めるAP側の訴えを認めた。
APはアメリカ湾の表記を使用しない編集方針を決定した2月以降、ホワイトハウス内の一部や大統領専用機内での取材から締め出された。判決を受け、「報道機関と国民が政府の報復を受けることなく自由に発言する基本的権利を認めるものだ」と歓迎する声明を発表した。