イスラエル軍、ガザ配給での発砲認める=国連は独立調査要求 2025年06月03日 14時39分

【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザの保健当局は3日、銃撃が続く最南部ラファにある米・イスラエルが主導する支援物資配給所の近くで新たに27人が死亡したと発表した。イスラエル軍は3日の声明で、配給所から約500メートル地点で部隊に向かってきた不審者に対して警告射撃を実施し、それでも近づく不審者の近くに追加の発砲を行ったと説明した。
ただ、イスラエル軍は射撃がどの程度の規模で行われたのか明らかにしていない。同軍はこれより先、事件現場とみられる場所で覆面をした男が銃を撃つ映像を公開し、根拠を示さずイスラム組織ハマスを非難していた。
配給所付近では連日死傷者が報告されている。ガザ当局は1日、イスラエル軍の発砲で少なくとも31人が死亡し、170人以上が負傷したと報告。2日も3人が命を落としたとされる。
グテレス国連事務総長は2日、住民多数が銃撃を受け死亡したと伝えられていることを受け、「がくぜんとしている。パレスチナ人が食料のために命を危険にさらすことは許容できない」と事件を非難。その上で、イスラエルが主導する形でない独立した調査が必要だと訴えた。
配給を担った「ガザ人道財団」は、1日の時点で「何の事件もなく、すべての配給が実施された」と発表していた。