気候変動「存亡に関わる脅威」=国家の法的義務を初勧告―国際司法裁 2025年07月24日 00時55分

【ブリュッセル時事】国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は23日、気候変動に関する国家の国際法上の義務について、初の勧告的意見を出した。温室効果ガスの排出による環境への影響は「緊急かつ存亡に関わる脅威」だとして、すべての国に対策を講じる法的義務があると指摘。これを怠れば、国際的な不法行為に当たる可能性があるとの見解を示した。
ICJの岩沢雄司所長は「環境は人間の生命の基盤であり、現在および将来の世代の健康と福祉はその上に成り立っている」と述べ、気候変動対策の必要性を強調した。
今回の意見は、気候変動の影響が深刻な南太平洋の島国バヌアツなどが主導し、2023年に国連総会で採択された諮問決議に基づくもの。法的拘束力はないが、今後の国際交渉や訴訟などに大きな影響を及ぼすとみられている。