ガザ飢饉「うそ」と反発=イスラエル、正当性訴え 2025年08月23日 06時46分

記者会見するイスラエルのネタニヤフ首相=10日、エルサレム(AFP時事)
記者会見するイスラエルのネタニヤフ首相=10日、エルサレム(AFP時事)

 【カイロ時事】国連などが22日、パレスチナ自治区ガザで「飢饉(ききん)が発生している」と見なす報告書を出したことに対し、ガザへの物資搬入を制限するイスラエルは同日、「全くのうそだ」と激しく反発した。首相府の声明では、制限を緩めるなど「飢餓の防止策を取っている」と主張。国際社会で人道状況悪化の責任を問われる中、イスラエルはあくまで正当な対応を取っていると訴えた。
 声明は、イスラエルがガザで軍事作戦を開始した2023年10月7日以降も、多くの物資が搬入されていると強調。物資不足はイスラム組織ハマスが横取りしていることが原因だと改めて訴え、報告書が「イスラエルの人道面での努力を無視している」と断じた。
 また、イスラエル外務省は、飢饉を認定する際の指標である急性栄養失調に関し、他国の場合と異なる測定手法を用いて判断基準を厳格化したと指摘し、「飢饉を捏造(ねつぞう)した」と糾弾した。
 ただ、物資搬入量は作戦前と比較して大幅に減少しており、国連は以前から必要量を満たしていないと訴えていた。急性栄養失調の判断についても、スーダンなどで同じ手法と基準により飢饉が認定された前例があるという。 

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