上昇基調が一服 2025年08月06日 14時29分
野村証券ストラテジスト沢田麻希氏
日米の関税交渉合意を好感して上がった日本株は、短期的には上昇基調が一服する。2026年3月期業績は減益が見込まれるが、26年度は増益に転じ日経平均株価も中長期的に上昇するだろう。
4月に公表された米関税率は引き下げられることになり、日経平均は1年ぶりに一時4万2000円台を回復した。ただ、関税自体はなくならない。業績への悪影響が幅広い業種に広がらないか注視すべきだ。市場の業績予想は下方修正が優位だが、年末にかけて修正幅がどの程度改善するかも着目したい。
7月の米雇用統計で5、6月分の非農業部門就業者数が大きく下方修正されたが、失業率や賃金の伸び率を考慮すると景気後退を示唆する内容ではない。人工知能(AI)関連需要が旺盛で、堅調な米企業業績は日本株の支えになる。
一方、米経済が減速して利下げ観測が強まると、日米の金利差縮小で円高が進行し、日本株の重しになるだろう。