利上げ再開は可能=トランプ関税「そこまで悲観的でない」―高田日銀審議委員 2025年07月03日 12時03分

記者会見する日銀の高田創審議委員=3日午後、津市
記者会見する日銀の高田創審議委員=3日午後、津市

 日銀の高田創審議委員は3日、津市で記者会見し、トランプ米政権による高関税政策の影響を巡り、「差し迫ったすごい影響が起きてはおらず、そこまで悲観的な状況ではない」との認識を示した。利上げについては、休止局面にあるとしながらも、「一定の様子見期間の後、再びギアシフトを行える状況だ」と語り、再開は可能との考えを強調した。
 年内に利上げする可能性は「あるかもしれないし、ないのかもしれない」と述べ、明言を避けた。
 高田氏は、春闘で賃上げが進んだことなどを踏まえ、2%の物価上昇目標の実現が「ようやく目の前に迫ってきた」と分析。今月1日に公表された日銀の6月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも「価格転嫁を主因に、全体として良好な業況感を維持していた」と評価した。一方で「まだかなりの不確実性が残っている」とも指摘。米国の関税政策や減税策、金融政策の動向を慎重に見極める姿勢を示した。 

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