東京株、世界株高が押し上げ=史上最高値、上昇継続には懐疑的 2025年08月12日 18時27分

史上最高値を更新した日経平均株価とTOPIXを示すモニター=12日午後、東京都中央区
史上最高値を更新した日経平均株価とTOPIXを示すモニター=12日午後、東京都中央区

 12日の東京株式市場は、日経平均株価が昨年7月以来となる史上最高値を更新した。世界的な株高による余剰資金が日本株に向かい株価を押し上げた。トランプ関税による不透明感の後退も上昇に弾みをつけた。とはいえ、急騰で過熱感は高まっており高値更新の継続には懐疑的な見方も多い。
 生成AI(人工知能)への投資拡大期待からハイテク株が中心の米ナスダック総合指数は8月に入り史上最高値の更新が続いた。英国やドイツの主要株価指数も最高値圏にあり、「世界的なリスクマネーが株式に向かっている」(銀行系証券)という。年初から7月までの海外勢の買越額は既に4兆円に迫っており、1500億円余りだった昨年の合計額を大きく上回っている。
 日経平均は、トランプ関税で落ち込んだが7月後半に日米交渉合意で取引時間中には一時4万2000円超まで上昇。もっとも、短期的な急騰に対する調整もあり、最高値を目前に4万円台でのもみ合いとなっていた。
 一方で日本株全体の動きを示す東証株価指数(TOPIX)は堅調な金融株などに支えられ7月後半に最高値を更新、8月8日には初の3000台を記録した。市場関係者は「海外投資家が日本株の基準としているのはTOPIX。高値更新で日本株に資金を振り向ける動きが加速した」(大手証券)と指摘する。
 ただ、今後の株価については「米国でインフレが意識されれば米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が遠のき、下落する可能性もある」(先の銀行系証券)と警戒する声も出ている。 

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