6月16日 FOMC声明 2021年06月17日 13時49分

米連邦準備制度理事会(FRB)FOMC声明を発表      

 米連邦準備制度理事会(FRB) は、FOMC(6月15日、16日)において決定した金融政策について声明を発表しました。

  • 経済活動はワクチン接種の進展と経済支援により改善している。
  • インフレ率は上昇しているが、これは主に一過性の要因が反映されたもの。
  • インフレ率が長期的に2%に定着し、「最大雇用」に達するまで緩和政策を維持する。



FOMC声明文(全文) 2021年6月16日14時(米東部時間)                

[日本語訳 ゴールデンチャート社]                           

 米連邦準備制度理事会(FRB)は、この困難な時期に直面した米国経済を支援するため、あらゆる手段を駆使し、最大雇用と物価安定の目標を達成すべく推進していく責務を託されています。

 ワクチン接種の進展により、米国内でのコロナウィルスの感染拡大は抑制されています。こうした進展と強力な経済支援策によって、経済活動と雇用に関する指標は改善されています。パンデミックの影響を最も受けたセクターは依然として弱いものの、改善が見られます。インフレ率は上昇していますが、これは主に一過性の要因が反映されたものです。金融情勢は全般的に緩和状態が維持されており、これは米国経済および米国の家計および企業への信用供与支えるための政策措置を一部反映したものであります。

 当委員会は、長期的視野に立って最大の雇用と2%のインフレ率の達成を目標としています。インフレ率は現状、この長期目標を依然として下回っていますが、当委員会は当面まずは2%を適度に上回るインフレ率に達することを目指し、そうしたうえでインフレ率が長期間平均して2%となり、長期的なインフレ期待として2%にしっかりと固定されると想定しています。当委員会は、こうした成果が得られるまで、金融政策について緩和スタンスを維持することとしています。本日、当委員会はフェデラルファンド金利のターゲットレンジを0~1/4%に維持することを決定しました。労働市場の状況が当委員会の評価する「最大雇用」に合致するレベルに達し、インフレ率が2%に上昇した後、暫くの間2%を適度に超える軌道に乗るまで、このターゲットレンジを維持することが適切であると考えています。さらに、FRBは、最大雇用と物価安定の目標に向けて実質的な進展があるまで、財務省証券の保有額を毎月少なくとも800億ドル、政府系住宅ローン担保証券の保有額を毎月少なくとも400億ドル増やし続ける方針を示しました。これらの資産購入は、円滑な市場機能と緩和的な金融環境を醸成し、家計や企業への信用の流れを支えていきます。

 金融政策の判断に際して適切なスタンスをとるため、当委員会は、収集した情報が経済見通しに与える影響を引き続きモニターしていきます。当委員会の目標達成を妨げる可能性のあるリスクが現れた場合は、当委員会は適切に金融政策のスタンスを調整する用意があります。当委員会での政策判断にあたり、公衆衛生、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融・国際情勢など、幅広い情報を考慮に入れた評価を行っています。

 この金融政策決定に賛成したのは、Jerome H. Powell議長、John C. Williams副議長および、Thomas I. Barkin、Raphael W. Bostic、Michelle W. Bowman、Lael Brainard、Richard H. Clarida、Mary C. Daly、Charles L. Evans、Randal K. Quarles、Christopher J. Wallerの各氏です。


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■関連情報(外部リンク)

FOMC声明(原文、FRB)