〔東京外為〕ドル、一時142円台=半年ぶり安値、株急落で(11日正午) 2025年04月11日 12時07分
11日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日経平均株価の急落を受けて、一時1ドル=142円台後半に下落した。昨年9月30日以来、約半年ぶりの安値水準。正午は143円59~59銭と前日(午後5時、146円26~26銭)比2円67銭のドル安・円高。
10日の海外市場では、欧州時間は、米主要株価指数の先物の下落などを受けて売り強まり、145円30銭台へ下落。米国時間は、主要株価指数の下落で一段と売り込まれ、中盤には144円近辺に水準を切り下げた。終盤は、主要株価指数の下げ止まりや長期金利の上昇でいったん145円10銭台に浮上したが、144円40銭前後に押し戻された。11日午前の東京市場は、日経平均の大幅安を眺めて一本調子の下げとなり、9時半ごろに142円80銭台まで下落。その後は日経平均が下げ止まると、143円70銭台に戻した。
報復関税の応酬で米中の貿易戦争が激化するとの見方から、市場はリスクオフ姿勢を強めている。市場関係者は「来週予定される日米協議で関税が引き下げられるなど好材料がないと、リスクオフムードは変わらない」(FX会社)と指摘し、「ドル円は心理的節目の140円が視野に入る」との見方を示す。別の関係者からは「『米国売り』が止まらず、クラッシュ寸前」(国内銀行)との声も出ていた。
ユーロは朝方に比べ対円、対ドルで大幅高。ユーロドルは2022年2月下旬以来、3年2カ月ぶりの高値水準。正午は、1ユーロ=162円27~29銭(前日午後5時、161円26~29銭)、対ドルでは1.1302~1303ドル(同1.1026~1026ドル)。