〔NY金〕4日続伸、2674.90ドル(21日) 2024年11月22日 04時41分
【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、ロシアとウクライナの緊張の高まりを背景に安全資産としての金需要が高まり、4日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比23.20ドル(0.87%)高の1オンス=2674.90ドル。
ウクライナ空軍が21日、通信アプリ「テレグラム」で、同国に侵攻を続けるロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)で攻撃したと明らかにした。一部米報道ではICBMではない弾道ミサイルとの見方が伝わるなど情報が交錯しているものの、ウクライナ軍による発表が事実なら、ロシアは侵攻において初めてICBMを使用したことになる。今週に入ってから、ウクライナは米国製の地対地ミサイルや、英国が供与した巡航ミサイルを使用しロシアを攻撃しており、ロシアのプーチン大統領はこうした動きを「事実上の対ロ参戦と見なす」と警告してきた。ロシアとウクライナの紛争を巡り警戒感が高まる中、安全資産としての金の買いが優勢となった。
一部の市場参加者の間では、米半導体大手エヌビディアが20日発表した2024年11月~25年1月期売上高見通しが、一部投資家の高い期待に届かなかったことが安全資産としての金買いを促したとの声もあった。
シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁は21日、米連邦準備制度理事会(FRB)の来年の政策金利水準を巡り、「現在よりも幾分低い」との見通しを明らかにした。ただ、景気に中立的な金利水準が不透明な場合や見解の不一致がある場合は「利下げペースを緩めるのが妥当な可能性がある」と述べた。市場の反応は限定的だった。