〔NY石油〕WTI上伸、70.10ドル(21日) 2024年11月22日 06時26分
【ニューヨーク時事】21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、緊迫するウクライナ情勢を背景に供給不安が広がる中、上伸した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの1月物は前日清算値(終値に相当)比1.35ドル(1.96%)高の1バレル=70.10ドルだった。2月物は1.25ドル高の69.77ドル。
ロシアのプーチン大統領は21日、テレビ演説し、ウクライナの軍事施設に対し極超音速中距離弾道ミサイル攻撃を実施したと発表。同氏は、ロシアに長距離攻撃を仕掛けたことへの報復と述べ、ウクライナに武器を供与した国の軍事施設を攻撃する可能性があると警告した。バイデン米政権がウクライナに長距離ミサイルによるロシア領土内への攻撃を容認したとの報道後、ウクライナ軍は米国や英国から供与されたミサイルなどを使用して、ロシア領内へ攻撃していた。ウクライナが世界有数の原油輸出国であるロシアの石油施設を改めて攻撃対象とすれば供給混乱を招くとの見方から、相場では買いが先行した。
また、ロイター通信の報道によると、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は12月1日に開催する閣僚級会合で、12月から予定されている増産を先送りする可能性がある。需給引き締まり観測が再燃したことも相場の支援材料となった。
中国商務省は21日、対外貿易の促進に向けた一連の対策を発表。エネルギー製品の輸入を後押しする狙いもあり、需要喚起につながるかに注目が集まっている。
▽ガソリン=4日続伸。中心限月12月物の清算値は1.36セント高の1ガロン=205.94セント。 ▽ヒーティングオイル=3日ぶり反発。12月物の清算値は4.81セント高の1ガロン=227.44セント。