子どもがガザに「監禁」=心のケア、深刻な課題―ユニセフ報道官 2024年04月06日 09時22分

パレスチナ自治区ガザの最南部ラファで、子どもたちと交流する国連児童基金(ユニセフ)のテス・イングラム報道官(右端)=3日(日本ユニセフ協会提供)
パレスチナ自治区ガザの最南部ラファで、子どもたちと交流する国連児童基金(ユニセフ)のテス・イングラム報道官(右端)=3日(日本ユニセフ協会提供)

 激しい戦闘が続くパレスチナ自治区ガザを視察中の国連児童基金(ユニセフ)のテス・イングラム報道官は5日、「他地域の紛争と異なり、子どもはイスラエルが封鎖しているガザから逃げ出すことができない」として、「監禁」状態に置かれていると危機感を示した。オンラインで時事通信のインタビューに応じた。
 2日から最南部ラファに滞在しているイングラム氏は「あらゆる建物が破壊され、路上はごみであふれている」と指摘。北部や中部から避難民が押し寄せているといい、「人々は空腹で疲れ切っている」と窮状を説明した。
 国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、昨年10月の戦闘開始以来、ガザでは子ども1万人以上を含む少なくとも3万人が犠牲になった。
 イングラム氏は、ガザ全体が封鎖され、人道支援が行き届かない状況が「子どもにとってガザを世界で最も危険な場所にしている」と批判した。心のケアも深刻な課題の一つで、おねしょや、誰とも話さなくなる、悪夢を見るといった変化が表れているという。
 その上で「食料、水、ありとあらゆるものがガザの子どもに必要だが、何よりもまず停戦だ」と訴えた。 

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