空母「福建」初の試験航海=台湾見据え海軍力増強―中国 2024年05月01日 09時12分

中国国旗(EPA時事)
中国国旗(EPA時事)

 【北京時事】中国3隻目の空母「福建」が1日午前、初めての試験航海のため、上海の造船所を出た。国営新華社通信が伝えた。就役に先立ち試験航海を複数回行い、艦載機の射出などを確認する見通し。
 習近平政権は台湾侵攻の可能性を念頭に、空母の建造をはじめとする海軍力の増強を急いでいる。中国が「台湾独立派」と見なす頼清徳副総統の総統就任を20日に控え、けん制する狙いもありそうだ。
 上海海事局は4月30日、「軍事活動」が行われるとして今月1~9日に上海沖の東シナ海に航行禁止区域を設定していた。
 福建は2022年6月に進水した。動力は通常型で、満載排水量は約8万トンと大型化した。リニアモーターを用い、効率的に艦載機を射出する電磁カタパルト3基を装備している。
 配備済みの「遼寧」と「山東」は、反り上がった甲板から艦載機が発艦する「スキージャンプ式」。今回、電磁カタパルトを初めて搭載したことで、重い哨戒機などの運用が可能になり、防御能力が大幅に向上する。
 ただ、就役から戦力化まで5年前後を要するとされるほか、カタパルトの運用には依然課題が多く、実用化には時間がかかるとみられている。 

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