制裁解除容認「米側も異論なし」=拉致家族、運動方針を説明 2024年05月01日 15時52分

4月30日、ワシントンで記者会見する拉致被害者家族連絡会(家族会)代表の横田拓也さん(右から2人目)ら
4月30日、ワシントンで記者会見する拉致被害者家族連絡会(家族会)代表の横田拓也さん(右から2人目)ら

 【ワシントン時事】北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)代表で、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の弟の拓也さんは4月30日、訪問先のワシントンで記者会見した。全被害者の一括帰国を前提に、日本の独自制裁解除に反対しないとした運動方針を米側に説明し、「異論はなかった」と明らかにした。
 横田さんらは29日に米国に到着後、クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)や駐日大使を務めたハガティ上院議員らと面会。2月に決定した運動方針への理解を求めた。
 横田さんは、岸田文雄首相が模索する日朝首脳会談に関し「(対話の)兆しは大事にしていきたい」と強調。拉致問題は解決済みだと主張し、交渉を拒否している北朝鮮の態度に「動じる必要はない」と話し、日本政府に「強い水面下での外交交渉」を求めた。
 田口八重子さん=同(22)=の長男の飯塚耕一郎さんは、北朝鮮制裁を監視してきた国連安保理専門家パネルの事実上の廃止について、「マイナスのベクトルの動きだ」と指摘し、対北朝鮮圧力の低下に懸念を示した。その上で、米高官に日本などと協力して代替策を模索するよう要請したと明らかにした。 

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