バイデン氏、選挙継続へ重大局面=交代論でハリス氏に注目―米大統領選 2024年07月04日 15時11分

ハリス米副大統領=6月21日、ニューヨーク(AFP時事)
ハリス米副大統領=6月21日、ニューヨーク(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領(81)が選挙戦の継続を巡る重大局面を迎えている。高齢不安が再燃した先の大統領選テレビ討論会後、撤退を求める声はやまず、3日には本人が継続可能性を危ぶんでいるとの報道も飛び出た。「後継者」としてハリス副大統領(59)がにわかに話題となるなど、与党民主党の不安と緊張は最高潮に達している。
 「バイデン氏、レースの継続可否を検討」。3日午前、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)の報道で首都に激震が走った。
 ホワイトハウスは「完全な虚偽」(ジャンピエール大統領報道官)と報道を否定。バイデン氏は同日、選挙陣営スタッフを集めたオンライン会議で「誰も私を追い出すことはできない」と撤退を改めて拒否し、「最後までこのレースに残り、勝つ」と強調した。
 だが、討論会の打撃は深刻で、修復の余地がどれほど残されているかは不透明だ。ブルームバーグ通信は、民主党の下院議員数十人がバイデン氏の出馬取りやめを求める書簡を準備していると報道。CNNテレビが討論会後に実施した世論調査では、75%が「民主党はバイデン氏以外の候補の方が勝つ可能性が高い」と答えた。
 バイデン氏が討論会後の数日間、家族や側近と協議するのみで、要所への迅速な連絡を怠ったことも傷を広げた。バイデン氏がシューマー上院院内総務ら議会民主党幹部に電話し、有力な民主党知事団と会合を持って選挙戦継続の意思を伝えたのは、討論会から1週間近くがたった3日になってからのこと。その間に党内の不満や疑心は膨らんだ。
 候補者差し替えのシナリオが公然と取り沙汰される中、ハリス副大統領への注目度が急速に高まっている。バイデン氏以上の不人気ぶりが指摘されてきたが、「黒人で女性」という属性は人種的少数派や女性の権利擁護を掲げる民主党にとって最大の資産。本選が4カ月後に迫っていることからも、ハリス氏が最有力候補との見方は少なくない。
 CNNの調査では、トランプ前大統領との対決を想定した場合にバイデン氏が6ポイント劣勢だったのに対し、ハリス氏は2ポイント差に迫った。野党共和党は3日、不法移民の急増を巡ってハリス氏を狙い撃ちする広告を打つなど、早くも矛先を向けている。 

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バイデン米大統領=3日、ワシントン(EPA時事)
バイデン米大統領=3日、ワシントン(EPA時事)

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