ハマス最高指導者殺害=イラン訪問中、イスラエルが暗殺か―ガザ停戦交渉への影響必至 2024年07月31日 12時24分

イスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏=3月26日、テヘラン(AFP時事)
イスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏=3月26日、テヘラン(AFP時事)

 【イスタンブール時事】パレスチナのイスラム組織ハマスは31日、最高指導者イスマイル・ハニヤ氏が、訪問先のイランの首都テヘランで殺害されたと発表した。「裏切り者のシオニスト(イスラエル)の襲撃を受けた」と主張し、敵対するイスラエルに暗殺されたと非難した。イスラエル側は公式には殺害への関与を認めていない。
 パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルとハマスの停戦や人質解放に向けた交渉への影響は必至だ。ハマス軍事部門は、ハニヤ氏の死が「戦いを新たな次元へと引き上げ、地域全体に大きな影響を及ぼす」と警告した。地元メディアによれば、イスラエル政府は31日に治安閣議を開き対応を協議する。
 ハニヤ氏は、30日に行われたイランのペゼシュキアン大統領の就任宣誓式出席のため同国を訪れ、最高指導者ハメネイ師とも面会していた。イランのメディアは、テヘラン北部の施設に滞在していた31日未明、「上空からの飛来物」によって護衛役と共に殺害されたと伝えている。
 ハマスを支援してきたイランは、3日間の服喪を発表。ハメネイ師は声明で「イラン本土で起きた悲痛な事件であり、報復は義務だ」と宣言した。イスラエルを取り巻く中東の軍事的緊張が、一段と激化する恐れもある。 

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30日、テヘランで面会したイスラム組織ハマス最高指導者ハニヤ氏(左)とイランの最高指導者ハメネイ師(ロイター時事)
30日、テヘランで面会したイスラム組織ハマス最高指導者ハニヤ氏(左)とイランの最高指導者ハメネイ師(ロイター時事)

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