トランプ氏、当選確実=刑事訴追、暗殺未遂はねのけ―4年ぶり返り咲き、ハリス氏破る・米大統領選 2024年11月06日 16時55分
【ワシントン時事】米大統領選は5日、全米各地で投開票され、2度の暗殺未遂から生還し返り咲きを狙った共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が、女性初の大統領を目指した民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)を激戦の末に破り、当選を確実にした。複数の米メディアが伝えた。「米国を再び偉大に」と訴え、勝敗を左右する激戦州を次々と制した。
トランプ氏の再登板で、米国の内政や外交などは大きく転換される可能性が高い。刑事事件で有罪評決を受けながら当選した米史上初の大統領となる。
トランプ氏は6日未明(日本時間同日午後)、南部フロリダ州で支持者を前に演説。「国民に第47代大統領という特別な栄誉を与えられたことを誇りに思う」と勝利宣言し、「米国の真の黄金時代がやってくる」と強調した。「米国を救い、国境問題を解決する」とも語った。
トランプ氏は激戦州の東部ペンシルベニア、南部ノースカロライナとジョージア、中西部ウィスコンシンの各州などで勝利を重ねた。米メディアによると、トランプ氏の獲得選挙人数は、全米50州と首都ワシントンに割り当てられた計538人の過半数(270人)に達した。
トランプ氏は再選に失敗した2020年大統領選の結果を覆そうとした罪などで、米大統領経験者として初めて起訴され、四つの刑事裁判を抱えながら選挙を戦った。今年7月、演説中に銃撃を受け右耳を負傷。9月に再び命を狙われたが切り抜け、4年ぶりのホワイトハウス奪還を決めた。
選挙戦では不法移民対策を最大の争点に掲げた。関税引き上げによる自国産業保護や同盟国の負担増も重ねて主張した。1期目よりさらに「米国第一」の姿勢を強めるとみられ、国際秩序を再び揺るがしそうだ。
連続せず2期を務めるのは、1884年と1892年の選挙に勝利したクリーブランド元大統領以来で2人目。78歳での当選は、20年に77歳で当選したバイデン大統領を抜き史上最高齢となる。
トランプ氏は、選挙人による形式的な投票を経て来年1月20日に正式に就任する。副大統領には中西部オハイオ州選出のJ・D・バンス上院議員(40)が就く。